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生きのいい鯉の刺身
 

 「鯉の巣」は田主丸町が誇る「鯉とりまあしゃん」こと故上村政雄さんが始めた、鯉、鮎、うなぎなど筑後川の食文化を堪能できる老舗です。
 鯉の仕入れには餌や育つ水の環境からこだわり、さらに店の湧水の生け簀に泳がせ、身をしめ、川魚独特の臭みを抜きます。本店は、現在はまあしゃんのお孫さんである上村政秀さんが三代目として見事な包丁さばきをみせてくれます。

 

 鯉の生命力は強く、二枚におろされてもなお、まな板の上で動くほど。海から遠い田主丸では大切な蛋白源で家庭料理として親しまれてきました。その美味しさを最も味わえるのが「洗い」。鯉の巣では、まず中骨ごと舌にわずかに骨を感じ身の歯ごたえを残す厚さに刺身をひき、それをぬるま湯に落としてから一気に水で冷やします。
 その急激な温度差と、田主丸ならではの上質な地下水がつくり出す淡泊な味と独特の食感。タイミングはすべて指の感覚による長年の勘です。洗いはふつう酢みそでいただきますが、鯉の巣では自家製の醤油とわさびで供するため鯉本来の味を楽しむことができます。


上村政秀さん

赤みそ仕立ての鯉こく

 

他にも、赤みそ仕立ての鯉こくは、やわらかな鯉の白身、皮のゼラチン質と跳ね上がる鱗の食感がおもしろく、濃厚なだしで身体の芯から温まる椀です。今では貴重となったハヤの甘露煮や、うなぎのせいろ蒸しなど、海の魚とは全く違う野趣あふれた川魚料理の数々。
 店内には田主丸と縁が深かった芥川賞作家の火野葦平と田主丸河童族を結成したまあしゃんとの思い出の写真なども飾られ、今も文化人集う全国に名を馳せる名店です。


営業時間/11:00〜20:00
定休日/水曜
住所/福岡県久留米市田主丸町田主丸619-2
TEL/0943-72-2451


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